2019年7月6日(土)13:15より、まなび創造館(愛知県小牧市小牧三丁目555番地)にて、「みんなで小牧の多文化共生を考えよう」と題し、まちづくり委員会の設営にて、一般社団法人小牧青年会議所2019年7月度例会を開催いたしました。
司会を務める土屋副委員長
開会セレモニー時の熊谷君、伊藤君
佐藤理事長の挨拶の後、まちづくり委員会の丸川委員長から、「入管法」の改正に伴って、今後は日本で生活する外国人が増えていくことが想定され、小牧市も例外ではないところ、小牧市は現状でも多くの外国人が住み暮らすまちではあるものの、日本人市民と外国人市民が、同じまちに住み暮らす「小牧市民」として十分なかかわりを持てていない現状を変えるべく、日本人市民と、外国人市民の両方が参加するワークショップで「多文化共生」をテーマに話し合うことを通して、小牧市民には、これからの多文化共生について考える機会を提供するとともに、一般社団法人小牧青年会議所メンバーには小牧の多文化共生の現状について学び、その学びを活かし、地域の人々をつなぐ役割を担える人財になってもらいたいと考え、本例会を開催した旨、説明がありました。
丸川委員長による例会の趣旨説明の後、会場をまなび創造館5階から4階へ移動し、15:00から開催される小牧市民「多文化共生」ワークショップの設営を行いました。
小牧市民「多文化共生」ワークショップは、小牧市との共同開催であり、新たな小牧市の多文化共生プラン策定作業の一環として位置づけられているため、小牧市役所シティプロモーション課の方々、そして小牧市が選定したコンサルタント業者である株式会社サーベイリサーチセンターの方々とともに設営準備を行いました。
小牧市シティプロモーション課の方々と丸川委員長
株式会社サーベイリサーチセンターの方々
会場の設営が一通り終わった段階で、株式会社サーベイリサーチセンターの方から、一般社団法人小牧青年会議所メンバーに向け、ワークショップの流れについての説明とグループディスカッション時のファシリテーター(進行役)の役割について説明がありました。
説明を聞く一般社団法人小牧青年会議所メンバー
15:00からは、一般参加者の日本人市民、外国人市民を迎えて、小牧市民「多文化共生」ワークショップが始まりました。
開会前の様子。ケーブルテレビにも取材に来て頂きました。
熊谷理事の開会の言葉に続き、佐藤理事長から、参加者の皆様に対して、日本人市民、外国人市民に「多文化共生」について意見を交わしてもらうことを通して、同じ小牧市に住み暮らす日本人市民と外国人市民がこれまでよりも強いつながりを持ってともに暮らしていくことのできるような関係性を築くための契機とするべく、小牧市と共同で、今回の事業を開催させていただいた旨の挨拶をさせていただきました。
また、小牧市役所シティープロモーション課課長である村田吉隆様から、参加者の皆様に対して、「多文化共生」は、かつては「国際交流」という言葉で一括りにされていたこと、最近では、日本人と外国人が一時的なつながりを持つ場合も意味する「国際交流」と日本人と外国人がともに暮らすという継続的なつながりを持つ場合を意味する「多文化共生」は異なるものだと理解されるようになってきたこと、日本人と外国人がともに暮らしていると、例えばゴミを捨てる場面一つとってみても、言葉や文化の違いから日本人と外国人の間で軋轢が生じてしまうことは少なくないこと、そのような軋轢やすれ違いを解消するためにも、日本人が外国人がお互いに理解を深め、お互いを尊重しながらともに暮らしていくためにはどうすればよいかを考えることが「多文化共生」の第一歩であり、小牧市では、これまで以上に「多文化共生」を進めるため、一般社団法人小牧青年会議所と共同で、今回の事業を開催した旨の挨拶をいただきました。
主催者挨拶に続き、グループディスカッションに入る前の情報提供として、小牧市役所シティプロモーション課の金子清一郎様、NPO法人にわとりの会の丹羽典子様、株式会社エス・エス産業のホアンウェット様から、小牧市の現状、小牧市における「多文化共生」への取り組み事例の紹介、「多文化共生プラン」の見直しと本ワークショップの位置づけ、ライフサイクルに応じた外国人家族の課題と支援策、外国人労働者や留学生が来日する理由や、日本で生活していくなかで言葉や文化、社会制度の違いによって外国人が直面する課題と求められる支援策等について、それぞれ情報提供をしていただきました。
小牧市役所シティプロモーション課の金子清一郎様
なお、金子先輩は、一般社団法人小牧青年会議所のOBでもあります。
NPO法人にわとりの会代表の丹羽典子様
株式会社エス・エス産業のホアンウェット様
情報提供後は、A~Gまで7グループに分かれて、グループディスカッションを行いました。
グループディスカッションでは、こういったことで困っている、こうった制度は作れないかなど、「多文化共生」を促進するという視点から見たときに小牧市で生じている課題やその解決策等について意見を出し合い、最後はどういった主体が、どういった方法でその課題にアプローチをするとよいのかにつき、グループ毎に意見を整理して、発表を行いました。
まずは、それぞれの意見を付せんに書き出します。
続いて、意見を書いた付せんを発表用のボードに貼り付け、それぞれ意見の説明をします。
ある程度意見が出たら、意見を整理して、発表の準備をします。
最後に、グループ毎にどんな課題があるのか、行政機関や地域団体などにどんなことをして欲しいのか、あるいは自分たちはどうしていきたいのかなど、グループディスカッションで出た意見を発表しました。
グループディスカッションが終了したところで、小牧市役所の金子様から、冒頭の村田課長の挨拶でも触れられたとおり、「多文化共生」という言葉を聞くと難しい印象を持ってしまいがちだが、これからの日本ではある日突然お隣に言葉も文化も違う環境で育った人が引っ越してくることもあり、そういうときに隣人とともに暮らしていくにはどうすればよいかという非常に身近で、誰しもに関係のある課題であること、こういった「多文化共生」を考えていくうえで、今回のワークショップはとてもよい機会になったのではないかと思っていること、そして小牧市としては、今回のワークショップで出していただいた意見を踏まえて、よりよい「多文化共生プラン」を作成していきたいと考えていること、小牧市としても「多文化共生」を進めていくけれど、「多文化共生」は市役所だけが取り組むものではなく、学校、地域、企業、そして小牧市民一人ひとりが実践するものなので、今回のワークショップでの経験を活かして、皆様にも自分ができるところから「多文化共生」に取り組んでほしいという旨の、今回のワークショップのまとめの挨拶がありました。
金子様からの挨拶の後、三輪副理事長から謝辞を述べ、長内君による閉会の言葉のあと、参加者で集合写真を取りました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
また、情報提供者をお引受いただきましたNPO法人にわとりの会丹羽典子様、株式会社エス・エス産業のホアンウェット様、そして株式会社サーベイリサーチセンターの皆様、小牧市役所シティプロモーション課の皆様、ありがとうございました。
最後に、7月度例会をご設営頂きました、三輪副理事長、丸川委員長をはじめとする、まちづくり委員会の皆様、お疲れ様でした。
担当委員会より例会を終えてひとこと(まちづくり委員会副委員長土屋洋一君)
「多文化共生」に関する取り組みというと、外国人を、言語や文化、慣習や制度の違いから、日本で生活するうえで苦労している、ある種の社会的弱者とみなして、外国人が日本での生活になじめるように、行政や市民団体が支援活動を行うというイメージがありましたが、丸川委員長から、「多文化共生」というのは、日本人が外国人を支援して日本になじませるという一方的なものではなく、日本人と外国人が対等な立場で意見を交わし、お互いを尊重し、協力し合って、日本人と外国人がともに暮らすことのできる社会を目指すことで、一方的な支援とは違うのではないかという問題提起があり、それを受けて本例会では、日本人市民と外国人市民が参加するグループディスカッションを通して互いに理解を深め、行政や企業やその他支援団体等に何かを要求するだけでなく、自分たちは何ができるのかということに意識を向けてもらえるような内容にすることを心がけました。
例会当日は、どのグループでも活発な意見交換がされており、各グループの発表では、外国人の市民が普段生活のなかでどんなことで困っているのか、日本人の市民がそのことについてどう感じているのか、自分たちはどういう取り組み方をしていくのかなどについて様々な意見を聞くことができ、普段直接関わる機会の少ない外国人市民の方々の生の声を聞くことができて勉強になりましたし、「多文化共生」を推進するために自分ができることからはじめていこうと思いました。一般社団法人小牧青年会議所メンバーにも同じような感想を持っている人が少なくはなかったことから、まちづくり委員会として、丸川委員長の「想い」を伝えることができたのかなと思います。
まちづくり委員会では、今後とも、まちづくり運動に邁進して参ります。