一般社団法人 小牧青年会議所
2024年度 第53代理事長
小池 公二
理事長所信
【はじめに】
戦争に敗れ、敗戦国となった日本の戦後復興の最中、数名の志高い青年たちの手によっ
て青年会議所は始まりました。1949 年に日本青年会議所が誕生すると、瞬く間に全国に広がり 1972 年には小牧のまちにも青年会議所が誕生しました。「明るい豊かな社会の実現」を理想とし青年会議所運動は始まりましたが、今となった現在、「明るい豊かな社会の実現」とはどういうものなのでしょうか。現在の私たちの生活は、戦後復興の時代とは違い、物に溢れ、衣食住の苦労もありません。インターネットや SNS の普及により情報の取得も簡単になりました。そういう側面を見るならば、すでに明るい豊かな社会は築けているように思えます。現在の日本、そして私たちが住み暮らす小牧のまちに青年会議所は必要とされているのでしょうか。
豊かになった現在でも社会には様々な問題があります。令和の時代に大きな変化が起こ
り未曾有の疫病の蔓延によって私たちの生活は著しく変化し、当たり前だった日常生活が
奪われていきました。そして昨今、世界情勢が不安定になり、世界を取り巻く環境が大き
く変化しています。
時代によって問題や課題は変化し、私たちが目指す「明るい豊かな社会の実現」に終わ
りはありません。しかし、社会や課題が変化していく一方で、私たち青年会議所は先人た
ちが三信条に込めた「修練・奉仕・友情」という言葉を胸に抱き続け、前進してきたから
こそ今ここに存在します。今一度、三信条の精神を我々は学び、先輩諸兄姉が積み上げて
きた歴史と信頼の上に私たちがいることに感謝をし、紡いできた灯火を、英知と勇気と情
熱を持って次代へと繋ぐことをお誓い申し上げます。
【未だ見ぬ仲間との絆】
私たちはたくさんの人に出逢い、青年会議所活動を展開してきました。「合縁奇縁」という言葉がある通り、青年会議所には、ここでなければ人生において出逢うことが出来なかっただろう魅力あるメンバーで溢れています。まちづくりをするためにはひとが必要です。まちづくりはひとづくりからとも言われます。青年会議所は地域に根差した運動を展開するためにメンバーを数多く創出しなければなりません。私たちの地域をより良くするため、そして青年会議所が大きな力を発揮するには同じ志を持つ同志、新たな仲間を一人でも多く生み出すことが必要です。私たちは今一度、全員で立ち上り、より良い小牧を創るべく、そして大きな運動を波及させるべく多くのメンバーが居なければ小牧の「明るい豊かな社会の実現」は成し遂げることができないのです。
【市民との絆】
私たちが住み暮らすまち、小牧は魅力あるまちです。小牧山城は織田信長が築いた城の
地であり、まちの魅力の一つです。小牧には特産物が豊富にあり、企業活動も活発であり、まちを良くしようと取り組む多くの人たちがいます。このようなまちの魅力をたくさんの人たちに伝播することができれば必ずこのまちは発展します。
しかし、近すぎるからこそ見えないものがあります。私たちは自分たちのまちの魅力を
どれくらい知っているでしょうか。広く知られているものもあれば、一部の人にしか知ら
れていないものもあります。知っていても実際には食べたことが無かったり、見たことが
無かったりするものもあるのではないでしょうか。この小牧というまちを自分自身で体験
することによって、魅力を感じ新たな発見を得ることができます。一人ひとりが地域に根
差した運動を展開できる小牧青年会議所メンバーだからこそ、青年経済人として市民とと
もにまちの魅力を再発見し、発信し、様々な想いを形にすることができます。それがまち
づくり運動の根幹であり、私たちが住み暮らす小牧が発展していくのです。
【メンバーとの絆】
青年会議所をどのように活用するかは自分次第です。私たちは青年会議所で学んだ様々
な知識を持ち帰り多彩な分野で発展してきました。一人ひとりがしっかりとした目的意識
をもって青年会議所活動に取り組むことで、知識やスキル、人脈が広がります。さらには
自分自身が困難だと思っていたことも克服することが出来る唯一無二の団体です。
いつの時代でも志高く熱き情熱をもったメンバーが「誰かのため」と懸命に考え行動を
起こせば、どんな困難なことが待ち受けようとも乗り越えられるのです。人が行動を起こ
すとき、一人でできることは限られます。しかし周りには志をもつ仲間がいます。仲間が
団結し行動おこせば何だってできるのです。一人ひとりが真摯に向き合いお互いを尊重し
切磋琢磨することで様々な力が養われ、未来に繋がる成長の第一歩となります。そして一
人ひとりが自覚と責任を持ち、高い志のもと仲間と共に未来を創る人財へと成長し、やが
て地域に根差した運動を展開できるリーダーとなるのです。その私たちが力強く結束し、
一つのチームになれば小牧青年会議所のパワーは無限大へ進化していきます。
【組織を結ぶ】
青年会議所は、様々な会議を行い互いに思いをぶつけ合い切磋琢磨するからこそ、この
名前を冠しています。青年会議所における会議の重要性は言うまでありませんがその会議
の結果を形にするためには、議案管理・財務管理・広報・コンプライアンスチェック等が
必要です。青年会議所には総務という屋台骨があるからこそ、意味のある会議体の運営が
可能となります。
また青年会議所メンバーは仕事や家庭を持ちます。青年会議所活動は会社や家族からさ
せてもらっていることです。青年会議所に費やす時間は決して少なくありません。しかし、青年会議所の活動内容を普段から会社や家庭に説明しているメンバーは多くはないでしょう。最も身近な相手からの理解を得るためにも、青年会議所活動の情報発信が必要不可欠です。
さらには小牧青年会議所の組織としての成長のため、対外事業への参画や出向者支援の
枠組みの強化が必要であり、日本本会・東海地区・愛知ブロック協議会との連携を強化し
なければ未来に繋がる組織にはなり得ません。
【おわりに】
私たちが生きているのは「今」であり、大事なのはこれからの「未来」です。未来を創
るのは人なのです。人が何かをする時、興味を持てるかどうかが意思決定の元となります。その興味というものは様々な実体験を通して醸成されるものです。2024 年度は、体験を通して様々なことに興味を持ってもらいたい。一人ひとり「今」に向き合ってもらいたい。
人生は一度しかありません。一度きりの人生であれば何事も楽しんでほしい。自分が楽
しまなければ周りには伝わらない。人生を楽しもう!