一般社団法人 小牧青年会議所
2025年度 第54代理事長
舟橋 拓馬
理事長所信
【はじめに】
1910年、アメリカのミズーリ州セントルイスで、JCは産声を上げました。その理念と運動は国境を越え、1944年には国際青年会議所が発足しました。
日本では、1949年、戦後間もない東京において「新日本の再建は青年の責務である」という理念のもと、のちに東京青年会議所となる東京青年商工会議所が創設され、その理念に呼応した日本各地の青年の手によって各地青年会議所が生まれ、1951年には日本青年会議所が設立されました。
日本青年会議所は1951年に国際青年会議所に加盟することとなりましたが、異なる時、異なる場所、異なる経緯で生まれたはずの「青年会議所」は、なぜ手を取り合うことができたのでしょうか。
この問いに対する答えはいくつもあるかとは思います。私なりに「答え」を提示するのであれば、いずれの組織も「青年の力」を強く信じ、青年の結束が世界によりよい変化をもたらすという確信を持っていたからということになります。
彼らが信じた「青年の力」とは何なのでしょうか。
「青年の力」によって何を実現すべきなのでしょうか。
青年会議所が果たすべき使命、目指すべき姿について言及する指針は数多く存在します。我々が日頃セレモニーで唱和するJCI CREED、JCI MISSION、JCI VISION、JC宣言、綱領、小牧青年会議所であれば、一般社団法人小牧青年会議所2021年宣言や小牧市民憲章を含めることもできるでしょう。
こうした指針を踏まえて、私なりに「青年の力」とは何か、「青年の力」によって何を実現すべきか考え、次のような答えを持つに至りました。
「青年の力」とは現実に挑み、変革を起こす力である。
「青年の力」によって実現すべきは、誰もが現実に挑むことができ、自らが望む未来を手にすることができるのだという自信で周囲の人々を充たし、社会を、世界を、活気で充たすことである。
そして、青年が集う青年会議所が果たすべき役割とは、青年が自身に宿る力を発揮することができるよう鼓舞し、能力を開発する機会を与え、周囲の人と手を取り合って現実に挑むことができるように、互いに高め合い、助け合い、ときに競い合うことのできる機会を提供し、その運動をもって社会に活力を与えることである。
【第58回愛知ブロック大会について】
2025年は小牧市が市制70周年を迎える記念すべき年であるとともに、数年前から誘致を図ってきた第58回愛知ブロック大会の主管LOMを務める、LOMにとっても非常に重要な年です。
愛知ブロック大会は公益社団法人日本青年会議所東海地区愛知ブロック協議会の最大の運動発信の場と位置付けられる大会です。
それと同時に、主管LOMにとっては、自分たちが済み暮らす地域の魅力を来場者に向けて発信する機会であり、市民に青年会議所の運動について認知していただき、青年会議所への期待感を高める絶好の機会でもあります。
そのため、愛知ブロック協議会と密に連携をとり、その運動発信の機会を最大限活用できる環境を整えるとともに、主管LOMとして、地域の魅力を発信し、市民の方々に対して青年会議所に対する期待感を高めていただけるような大会を構築する必要があります。
では、主管LOMとして何をすれば地域の魅力を伝えることができるのでしょうか。市民の青年会議所に対する期待感を高めることができるのでしょうか。
こういった場面こそ、「青年の力」が発揮されることが求められる場面です。
具体的には、現在知られている既存の地域の魅力については、視点を変えて新たな価値を付与する、あるいは、新たに地域の魅力となる事業を構築することで、我々には「今、ここにあるもの」を変えることのできる力があることを示し、そこに市民が関わることができる機会を創出する必要があります。
そうした機会を創出することは、市民に対して自身の住み暮らす地域への愛着と自信を醸成し、地域を活気づけることにつながります。
それこそが、地域の魅力を伝えるとともに、市民の青年会議所に対する期待感を高めることに他なりません。
小牧に、愛知に、我々の持つ力を見せつけてやりましょう。
【愛知ブロック大会に向けた広報活動について】
さて、来場者の記憶に残り、その意識を変革につながるような、そんな「優れた」大会を構築することができたとして、それで愛知ブロック大会の意義を果たせたと言えるのでしょうか。
実際に大会に参加していただくことができなければ、どれほど優れた大会を構築できたとしても、地域の魅力を伝えることも、市民に青年会議所のことを認知していただくことも、期待感を抱いていただくこともできません。
では、どうすれば多くの市民に大会に参加していただくことができるのでしょうか。
人は、興味関心のあるものに積極的に関わろうとします。そして、自分自身や周囲の人に関係があると感じるもの、あるいは、頻繁に触れる機会があり、変化が目に見えるために、この先どうなるのか気になってしまうものに対して、人は興味関心を持ちます。
市民に対して愛知ブロック大会や、それに関連する各種事業が市民の生活とどのような関係があるのか、どのような影響をもたらすのかを様々な視点から提示することや、継続的な情報を発信することで青年会議所に関する情報を頻繁に目にする環境を作り出すことで、市民の興味関心を喚起することができます。
そうした環境を整えることが、多くの市民に愛知ブロック大会に参加していただくこと、ひいては青年会議所の運動発信に興味関心を持っていただくことにつながります。
市民の興味関心を引き出し、多くの市民を巻き込んでやりましょう。
【一般社団法人小牧青年会議所メンバーの意識高揚について】
愛知ブロック大会の主管LOMを務めることは、LOMにとって大きな成長の機会でもありますが、LOMメンバーに相応の負荷が生じる面があることは否めません。
そのような負荷に押しつぶされ、前向きにかかわろうとする気持ちが後退してしまえば、事業構築や当日の運営にもよくない影響を与えてしまうものであり、かえってLOMの衰退を招いてしまう危険もあります。
では、どうすればLOMメンバーは前向きにかかわろうとする気持ちを持ち続けることができるのでしょうか。
人が意欲を失うのは、自分が何をしているのか、自分がしていることに意味があるのかが分からなくなってしまうときであり、どれほど真剣に取り組んでいる人でも、ふとした瞬間にこうした疑問が頭をよぎってしまうことがあります。
こうした事態を避けるためには、主管LOMとして愛知ブロック大会を成功させたときのビジョンをLOMメンバーで共有するとともに、日頃からメンバー同士で声を掛け合って、互いに鼓舞しあえる環境をつくることが重要です。
そうした環境を整えることは、LOMメンバーが一丸となって愛知ブロック大会に臨むために必要であり、愛知ブロック大会の成功につながります。
LOMメンバーの結束力をもって重圧を押しのけ、思いっきり成長してやりましょう。
【会員拡大について】
これまではブロック大会に関する事柄について述べてきました。では、2025年度の一般社団法人小牧青年会議所の役割は、第58回愛知ブロック大会について、事業構築、運営を行うことだけでよいのでしょうか。
もちろん、違います。
青年会議所の役割は、青年が自身に宿る力を発揮できるように鼓舞し、成長の機会を提供することにあります。
では、どうすればそのような役割を果たすことができるのでしょうか。
青年会議所は、20歳から40歳までの青年が集い、互いを高め合う団体です。青年会議所の一員となることは、まさに青年が互いに刺激し合い、互いを成長させる場に参画することにほかなりません。すなわち、青年会議所の仲間を増やす会員拡大とは、青年会議所が果たすべき役割の根幹を担うものであり、新たに青年会議所の仲間になろうとする人のためにこそ行われているものです。
青年会議所の活動には、時間も、お金も、労力も必要です。そのため、人によっては、入会に対して非常に高いハードルを感じる人も少なくはないでしょう。また、そうした面があることを分かっているからこそ、なかなか声をかけられない、会員拡大に苦手意識を感じてしまうLOMメンバーもいるかもしれません。
思い出してください。
会員拡大とは、何よりも新たな仲間のためになるものであるはずです。
また、最終的に選択するのは候補者ではありますが、少なくとも選択の機会を提供することを躊躇う理由はありません。
苦手意識など投げ捨てて、会員拡大に励みましょう。
【組織運営について】
青年会議所は会議体であり、その意思決定は会議に基づいて行われます。
また、深く人の心に届く、リアリティのある運動発信を行うためには、その根幹にある想いに厚みと重み、熱量を持たせるため、議論を積み重ねていくことが必要です。
そのような効果的な議論を積み重ねるためには、会議にまつわる規律や事前準備、会議実施後の記録の整理保管等を行う必要があります。
さらに、青年会議所の運動発信をより効果的に展開するためには、事業単体についての広報活動も重要ではありますが、それ以上に、常日頃から広報活動を行い、一般社団法人小牧青年会議所の活動、運動を市民に認知していただくことで、組織としての発信力強化に努めることも重要です。
加えて、青年会議所には、国際青年会議所、日本青年会議所、東海地区協議会、愛知ブロック協議会、尾張東エリアなど、広域の運動発信を行い、青年会議所メンバーに対して、学びと成長の機会を提供する組織体があります。こうした組織体の行う事業についてLOMメンバーに情報を提供し、参加を促すことも、一般社団法人小牧青年会議所の組織としての力を高めるには重要です。
これらは、一般社団法人小牧青年会議所という組織の基盤であり、ここが崩れてしまえば、他の活動、運動もままなりません。逆に言えば、組織の基盤がしっかりと構築されることで、一般社団法人小牧青年会議所はより一層力強い運動発信ができるのです。
縁の下から、全体を押し上げてやりましょう。
【結びに】
2025年は、一般社団法人小牧青年会議所が第58回愛知ブロック大会の主管LOMを務める年であり、LOMにとっても、LOMメンバーにとっても、大変な1年になります。
困難にぶつかることもあるでしょう。
その身にかかる重圧に耐えきれなくなるときもあるでしょう。
そんなときは、周りの仲間の顔を見渡してください。
同じように苦しみ、それでも歯を食いしばって前に進もうとする姿が見えるはずです。
どうでしょうか。少しだけ勇気が湧いてきませんか。
あなたが見た誰かの姿は、誰かから見たあなたの姿です。
我々青年には、現実に挑み、今を変え、未来をつかみ取る力があります。
我々自身に宿る力を信じて・・・
思いっきり、暴れてやりましょう。
以上